HARIKOの伝授と未来
長い歴史と伝統を受け継いで
江戸でも評判になった三春羽子板や独特な八方にらみの高柴ダルマ、天狗や七福神などの張子面と、多くの種類の郷土玩具を長い歴史と伝統を受けついで生み出しています。そして祖先伝来の農業にもいそしみ、土を愛する心を忘れず、すべての工程に心のこもった人間の温か味を込めた手づくりで皆さまをお迎えしております。
表現技法の変化
土人形を和紙を用いる張子人形へと発展改良されました。人形の動き、立体感などの表現に限界のある土人形から、紙の利点を十分に生かした三春人形は、多様な題材への取り組みを可能にして、次々と独創的な人形を生み出していったのです。その結果、江戸時代の中頃、庶民文化の高まった文化・文政時代を頂点として、江戸を始め奥州各地にも売り出して評判を呼び、天下の名玩とうたわれるように至りました。とくに三春人形は、正面からだけ見せる土人形に対して表、裏、側面のいずれからみても 繊細優美な姿勢をたんねんに作り出します。そのため最も重要なのは木型で、この本家大黒屋には、巧みなノミさばきによる絶妙な古木型の逸品が数多く残されており、いま古人形の復元製作への努力が続けられています。また、大黒屋は日本三大駒の一に数えられる三春駒・子育て木馬製作にあたった御用木馬師で古くから木馬神社を氏神としています。
更なる未来への意気込み
三百年経つ現在、そして将来に向けた「張り子」の伝授と未来は、私に課せられた大きな課題でもあります。伝統工芸の技術と作品は人から人へと受け継ぎつつ、未来を見据えた新しいカタチの「張り子の世界」。今回のような「2011年REVALUE NIPPON PROJECT はテーマを和紙」大きなプロジェクトに参加出来たこともあり、大きな創造と意欲が湧いています。将来の橋本彰一にご期待ください。